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都議会レポート

都議会レポート 平成26(2014)3月

舛添知事初の予算議会、
格差なき社会に向けた取組を求める

 

 

 平成26年第一回都議会定例会が、3月28日に閉会しました。今定例会は、舛添要一知事就任後初の予算議会であり、知事は施政方針で「世界一の都市を目指す」旨述べました。
 私たち都議会民主党は、「世界一の都市」だけでなく、都市ランキングの指標にない、いじめや自殺、虐待などにも光を当てるとともに、多様性ある施策の展開を求めました。
 また、都立高校授業料の無償化制度の廃止を盛り込んだ、授業料徴収条例改正案に対し、修正案を提出し、原案に反対しました。皆様には本リポートへのご意見を賜りたくお願い申し上げます。

 

 

社会全体で子育てを応援しよう
都立高校の無償化廃止に反対!

 

 フランスやドイツ、イギリス、アメリカなど、世界のほとんどの先進国では高校の授業料は無償化されています。
 日本では、民主党政権において、公立高校の授業料を無償化し、私立高校には同額の就学支援金を支給する制度が始まりました。しかし、安倍政権になって、保護者の収入によって高校授業料を徴収する法改正が行われ、都においても、都立高校授業料の無償化制度を廃止する条例が提案されました。
 少子化が進行するなか、授業料の無償化は、教育費用を社会全体で負担するという理念のもとに始まりました。進学率が98%を超え、国民的な教育機関となっている高校授業料の無償制度を廃止することは、中等教育無償化の漸進的導入を定めた国際人権A規約の趣旨にも逆行します。所得を証明・確認するために保護者や生徒、学校に新たな負担も生じます。
 都議会民主党は、条例の修正案を提案しましたが、否決されました。そして原案に反対しました。

 

 

東京の新たな長期ビジョン
直面する課題に対応を

 

 都は、26年度中に新たな長期ビジョンを策定する予定です。
 都議会民主党は、東京の新たな長期ビジョンでは、オリンピックを含めた未来像を描くとともに、都政が直面する少子高齢化、貧困の拡大、雇用の流動化、経済成長の鈍化などに対応するため、政策のレベルアップに止まらない、政策転換が必要と考えています。また、広く各界の意見や知恵を集めることを主張しました。
 舛添知事は「長期的な視点から課題解決への道筋を描き、日本全体も牽引するビジョンを策定する。都議会と議論を重ね、多くの意見を幅広く聞く」と答弁しています。

 

 

多摩の活性化へ
的確な対応を求める

 

 多摩地域では、区部よりも早く人口が減少に転じ、高齢化の進展も早いことが見込まれています。加えて、大規模工場が撤退するなどの変化が生じています。
 こうした状況の変化に的確に対応し、活気ある地域づくりに向け、全力を挙げなければなりません。
 都議会民主党が、多摩地域の活性化に向けて質問したのに対して舛添知事は「25年度内に新たな多摩のビジョン行動戦略を策定する。直面する課題をしっかりと見据え、市町村や民間企業などを巻き込み、多摩地域の活性化を図る」と答弁しました。

 

 

安全安心まちづくり
知事任期通して実現を

 

 都は、木造住宅密集地域での延焼遮断帯整備を進め、燃えない、壊れない都市づくりや良好な住環境形成に向けたまちづくりも促進しています。昨年は、さらに、不燃化特区制度を本格的に始動し、取り組みを進めてきました。
一方、舛添知事は、自分の本格的な予算は27年度以降と発言しており、26年度予算案では、震災に強い安全・安心まちづくりに向けた新たな取り組みが乏しい面があります。
 都議会民主党が「知事の任期を通してどう取り組んでいくのか」と質問したのに対して、知事は「従来の取り組みを通じて、災害に打ち勝つ力強い都市を構築し、オリンピック・パラリンピックや、その先も見据えて、世界一安全・安心な高度防災都市の実現を目指す」旨答弁するに止まりました。

 

 

大雪や集中豪雨など
被害最小化に向けた取組を

 

 平成25年度は、集中豪雨や大雪など、予想が難しい気象現象による被害が相次いで起きました。
 正確な予測は難しいとはいえ、情報の出し方一つで食いとめられる被害があったのではないかという視点で、改めて検証すべきです。
 都議会民主党が、被害を最小限にするため、情報収集をはじめ、関係省庁との連携を含めた情報発信のあり方を検討することを求めたのに対し、都は「26年度、災害情報システムを改修し、気象庁情報が区市町村にも即座に伝達される仕組みを構築する」と答弁しました。

 

 

最大の電力消費地東京で
最大の省エネ・再エネを

 

 東京は、最大のエネルギー消費地として、省エネルギーの推進や、再生可能エネルギーの利用拡大に積極的に取り組まねばなりません。
 都議会民主党が提案し、成立した「省エネ条例」に基づき、都施設での省エネや地域冷暖房推進など、省エネ誘導を継続すべきと考え、舛添知事の認識を問いました。
 知事は「都は省エネ対策に取り組む責務があり、節電は極めて重要、2020年までにエネルギー消費量20%削減するため、省エネ、再エネにより、効率を最大限に高め、スマートエネルギー都市を実現する」と答弁しました。

 

 

端材・未利用間伐材・水力
再生可能エネルギー活用を

 

 都の施策は、従来太陽エネルギー中心でしたが、多摩地域の緑や水を活かした木質バイオマスや小水力も積極的に活用すべきです。
 都議会民主党が、多摩地域の特性を踏まえた自然エネルギー活用を求めたのに対し、都は「木質バイオマスは、森林の保全や活用に有効」とした上で、「バイオマスを含む再生可能エネルギーの熱利用の導入可能性の調査検討を行う。また、26年度、区市町村への新たな補助制度を創設し、木質バイオマスの利用や小水力発電の導入調査などを後押しする」旨答弁しました。

 

 

空き家問題
局横断での対策検討求める

 

 都内には、空き家が75万戸あり、長期間利用されていないものが19万戸もあります。数が増えるにつれ、火災の危険性など地域の問題となっています。
 都議会民主党の質問に対して、都は「空き家活用モデル事業の成果検証等で利活用方策を検討する」と答弁。また、空き家放置の要因として大きく関係している税制について、都は「固定資産税の特例が空き家等の除却を妨げる一因との指摘は承知している。税での対応には解決すべき課題がある」と答弁。さらに、放火火災対策では、消防総監が「必要に応じて空き家の所有者等に対して、管理の徹底、周囲の可燃物の整理を指導している」と答弁しました。
 都議会民主党は、まちづくり、防災、租税、消防など、局横断の空き家対策の検討を強く求めました。

 

 

野球・ソフトボールに期待
新たな夢のオリンピックを

 

 IOCのバッハ会長は、東京オリンピックで野球やソフトボールの競技復帰を示唆しました。
 都議会民主党も、日本の子どもたちに人気の高い野球、ソフトボールの競技復帰に期待し、被災地を含め、日本の子どもたちに新たな夢を与える大会にすべきと訴えました。
 都は「2020年東京大会で子どもたちがスポーツの素晴らしさを知る最高の機会となり、若いアスリートの大きな目標になるため、大会に向けて着実に開催準備を進める」と答弁しました。

 

 

4年間で待機児童ゼロ宣言
都はどう取り組むのか

 

 25年4月現在、都内での待機児童数は8千人を超えています。
 都議会民主党は、都内の保育所と保育士を増やす課題があるなかで、舛添知事が、4年で待機児童を解消し、保育サービスを充実するためにどう取り組むのかを質問。
 都は「26年度は、施設整備に係る事業者や区市町村負担の更なる軽減、定期借地権を活用する場合の区市町村負担の軽減、株式会社等が行う施設整備に対する独自補助を実施し、待機児童解消に向けた区市町村の取り組みを一層支援していく」と答弁しています。

 

 

認知症でも住み慣れた
東京で暮らせる在宅支援を

 

 今後、団塊の世代が75歳を超え、介護が問題になることから、認知症の人と家族を支える体制を整備していかねばなりません。
 都議会民主党は、認知症になっても住み慣れた地域、東京で暮らせる医療、介護関係機関のネットワークづくりを進めることが重要と訴えました。
 都は「12の認知症疾患医療センターで医療と介護の連携を進めており、センターは、かかりつけ医や地域包括支援センターなどからの相談に応じて、人材の育成を図っている」と述べました。
 また「25年度から認知症コーディネーターと医療機関、介護事業者などが連携し、認知症の疑いのある高齢者を発見し、支援につなげる取り組みを開始している」と答えました。

 

 

働く人の3分の1が非正規
知事「尋常でない」と発言

 

 現在、2015年卒の学生の就職活動が続いていますが、都内には若者の使い捨てが疑われる企業が存在し、解雇など雇用終了事案が発生しています。
 都議会民主党は、国内の非正規雇用率が約4割に高まっている雇用の状況について、舛添知事の基本認識を問いました。
 知事は「雇用情勢は改善しつつあるが、働く人の3分の1が非正規雇用という現状は、尋常でない。目指すべきは希望に応じて正規雇用を選択し、実現できる社会である」と述べています。

 

 

若年者が生きる力を学ぶ
自殺対策を進めよ

 

 年間3万人を超えていた自殺者は、民主党政権での施策の結果、減少傾向に向かっており、今後の継続した取り組みが重要です。
 都議会民主党は、増加傾向にある若年層の自殺予防として、学校で弁護士や医師、民間団体などと協力してライフスキルを学ぶことや、若年者が駆け込める相談会の回数を増やすなど、若年層の自殺対策の充実を求めました。
 都は「昨年11月に改定した自殺総合対策の基本的な取り組み方針でも、若年層の対策を重点課題の一つに位置づけ、自殺予防として、学校での生きる力を育む教育や心と体の健康づくりを盛り込んでいる」とした上で「26年度は、相談の大切さを伝える中学生向け小冊子を、授業等で活用していく予定。今後とも、自殺対策の充実に取り組む」と答弁しています。

 

 

いじめをなくす安心の
東京、教育環境をつくれ

 

 いじめ対策には、いじめを早期に認識し対応する環境整備やいじめの本質に向き合う体制づくりが必要です。
 都議会民主党は、いじめ被害者や自死遺族、いじめ相談機関、教育現場の方々からの意見に基づき、いじめをなくす安心の東京、教育環境をつくるべきと主張しました。
 都は「学校関係者だけでなく、地域、保護者、関係機関など、様々な立場の方々からの意見を聞き、今後、条例及び基本方針とあわせ、いじめ総合対策を策定する」と答弁しています。

 

 

東京五輪開催までに
観光の課題解消を図れ

 

 外国人旅行者が日本で最も困ることは、無料公衆無線LAN(WiFi)環境が不十分なことだと言われています。そのため、旅行者が公共交通の経路や利用方法、飲食店情報等の観光情報を収集できる環境整備が求められています。
 都議会民主党は、舛添知事に諸課題を踏まえ、東京の観光振興を更に進めるべきと質問しました。
 知事は「外国語で困らないように、ボランティアの養成をするとともに、WiFiに無料で接続できる環境整備を東京大会までに行う」と述べています。

 

 

東京の林業振興と森林保全
総合的な政策を

 

 木材価格の低迷などにより、林業が衰退した結果、東京の森林が荒廃し、林業労働力の確保などが課題となっています。
 都議会民主党は、林業振興や多摩産材の活用を促進し、森林循環サイクルを確かなものとするための支援を求めました。
 舛添知事は「森林循環の再生に向け、花粉の少ない杉に植えかえるスギ花粉発生源対策を実施するとともに、多摩産材の利用拡大を図る。更に、都民などが森づくりに積極的に参加できる仕組みを進めていく」と答弁しました。

 

 

#7119の話中をなくし
救急相談の質向上を図れ!

 

 救急車を呼ぶべきか否かの判断に迷った人がかける#7119は、着信件数の4分の1以上が、話中など受け付け不能となっています。
 都議会民主党の質問に対して、消防総監は「26年度は、相談看護師や受付電話を増設する」と答弁するとともに「救急専門医による実践的研修や傷病の緊急性を判断するためのプロトコル(手順)の医学的検証で対応の質を高める」旨答弁しました。
 都議会民主党は、引き続き、救急車の増車をはじめ、救急医療の充実に取り組んでいきます。

 

 

所在不明児童の早期発見を
児童虐待防止対策を拡充せよ

 

 乳幼児健診を受けていないなど、所在を確認できない乳幼児が、全国で4千人にのぼると報じられました。都議会民主党の質問に対して、都は「居住実態が把握できない場合や虐待が疑われる場合には、区市町村や警察等と連携し、立入調査や出頭要求などの権限も活用しながら、児童の安全確認、安全確保に努めている」と答弁しましたが、その対策は急務です。
 また、児童虐待防止について、舛添知事は「児童相談所を中心に地域の関係機関の力を束ね、全力で取り組む」と答弁しています。

 

 

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