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都議会レポート

都議会リポート 平成25(2013)年6月

憲法九十六条改正、待機児童…
あらゆる理不尽をただす!

 
 

 平成二十五年第二回都議会定例会が、六月七日に閉会しました。

 都議選直前に行われた現任期最後の今定例会では、安倍政権下で検討されている憲法九十六条の改正に対して疑義を唱え、猪瀬都知事の見解を質しました。

 また、数は減りつつあるものの依然として多い待機児童の問題、雇用形態の多様化やパワハラなどの人間関係を起因とする職場のストレス問題など、都民の生活に直結する理不尽な問題を取り上げ、安心・安全で快適な生活を送れるよう、東京都に効果的な対策を強く求めました。  

 皆様には本リポートで質疑内容をご確認頂き、ご意見を賜りたくお願い申し上げます。

 

 

憲法九十六条改正は
「憲法の本質を無視した暴挙」

 

 改憲手続きを定める憲法九十六条について、様々が議論がなされています。
 憲法のあるべき姿を国民全体で議論し、この国民の声を踏まえた国会が、最高法規たる憲法の改正案を主権者である国民の投票に付す以上、党派を超えた国会議員の大多数の合意を得ることが、国会が責任を果たすということではないでしょうか。
 自分たちの「改正案」は横に置いて、先にルールだけを二分の一に変えようというのは、あまりにも姑息なやり方です。九十六条改正そのものについても、改憲を唱える学者から「憲法の本質を無視した暴挙」とまで批判されています。 都議会民主党は、正々堂々と王道を歩むべきと主張し、猪瀬知事の見解を質しました。
   知事は、憲法改正について「国民全体で議論し、決めることが大事」とし、「私は、国民主権、基本的人権の尊重という基本原理を変えてはならないと思う」と答えています。

 

 

実効性少ない
アベノミクス補正予算

 

 昨年発足した安倍政権の一〇兆円もの補正予算を受けて、東京都も総額三四一億円の補正予算を編成しました。しかし、公共工事に一六〇億円当てましたが、新たに追加された公共工事は二〇億円余に過ぎません。後は、「独自の公共事業の前倒し」で、その多くは用地費に費やされています。救いは、都独自の保育事業に対する支援策が盛り込まれたことです。
 東京都はこの補正予算について、国の対策に呼応するとともに、「子育て支援の強化に向けた都独自の取組を行うことを目的として編成」したと述べ、東京スマート保育の拡充など待機児童解消を加速化させる取組を盛り込んでいます。

 

 

豊洲市場土壌汚染対策の徹底
築地食文化の拠点継承を

 

 都議会民主党は、四年前、築地市場の移転について、豊洲の移転予定地から高濃度の汚染物質が検出されるなど、安全性が確認されておらず、関係者の合意も得られていないことから、強引な移転には反対すると主張しました。
 現在、大方の関係者の合意も得られ、土壌汚染対策工事が、慎重かつ丁寧に進められています。また、食のプロに支持され、一般客・観光客にも親しまれる、築地のまちづくりも計画されています。
 都議会民主党は、豊洲新市場が安心・安全な状態で開場されるよう土壌汚染対策を徹底するよう求めるとともに築地市場の移転後の食文化の拠点継承への協力を求めました。
 都は、土壌汚染対策の徹底とともに液状化対策を進め、予定通り施設建設工事に着手したいと述べるとともに、市場移転後も築地と豊洲がともにブランドとして並び立つよう、築地が食文化の拠点として育んできた、活気と賑わいの継承について協力していくと述べました。

 

 

待機児童解消へ
保育サービス整備を!

 

 待機児童の解消には、保育サービスの需要を適切に把握した上で整備を進める必要があります。
 都議会民主党は、子育て当事者をはじめとする関係者が参画する子供・子育て会議において、認証保育所の保護者負担軽減や利用料金の応能応益化、保育サービスの量的供給増と質の向上など、東京の保育について議論をしっかりと行うべきと主張。 東京都は、区市町村が今後新たにニーズ調査を行った上で策定する事業計画を踏まえ、子供・子育て会議の意見も聞きながら、広域的な立場から区市町村に対する支援計画を策定すると答弁しています。

 

 

認可・認証保育所の
保育料較差是正を!
 

 都は待機児童解消のため認可保育所をはじめ、都独自の認証保育所などの認可外保育施設の整備を進めてきましたが、認可保育所の利用を希望する保護者の方々が多いのも事実です。その大きな理由は、保育料の格差にあります。
 都議会民主党は、認可と認証に対する補助額の違いは、国が認証保育所を認めず、応分の負担をしようとしないことが一番の原因のため、都としても、認証保育所が新制度の給付対象となるよう、国に対して強く働きかけていくべきと主張。都も取組を約束しました。

 

 

 
保育サービスの拡充へ
東京スマート保育整備を

 

 都は国に先駆けて、今年度から、小規模保育、「東京スマート保育」の整備を促進する補助制度を開始しています。
 〇歳児から二歳児を対象として、定員六人以上十九人以下の、空き家、空き店舗、空き公共施設等を活用した保育サービスの整備を促進する区市町村を支援するものです。
 今年度は二十か所、定員三百八十人分の確保を目指した予算が組まれていますが、補正予算で運営費補助の拡充も図られ、整備が一層進むことが期待されます。

 

 

救急搬送時間の短縮へ
救急医療体制の充実を

 

 救急車の救急出動件数が増える中で、救急搬送時に医療機関の選定が困難だった事例の発生率は着実に減少しています。
 一方、救急搬送時間は残念ながら、年々少しずつ伸びているのが実状です。
 今後、高齢者も急増するため、救急搬送の需要はさらに増え、救急搬送時間もさらに延びることが懸念されます。
 都議会民主党が、迅速・適切な救急医療の確保のため、救急医療体制の充実を求めたところ、東京都は関係機関とも十分協議の上、見直しを検討すると答えました。

 

 

子どもの命を守る
小児救急医療の充実を

  

 現在都では、四か所指定された、三次救急医療を担うこども救命センターを中心に、二次救急医療機関を五十一か所確保し、こども救命搬送システムが運営されています。
 直近の救命救急センターでの治療継続が困難な重篤患者を迅速に受け入れ、小児特有の症状に対応した高度な救命治療が受けられる体制が整備されました。さらに緊急性の高い小児患者の命を守るため、トリアージを七つの小児二次救急医療機関で実施しています。
   都議会民主党は、小児救急医療のさらなる充実を求めたところ、東京都は今年度から、こども救命センターに入院している患者の円滑な退院に向けた取組を開始しており、今後とも充実に努める旨を答えています。

 

 

風疹が大流行
感染予防・予防接種を!
 

 東京での風疹の大流行は、未だ止む気配を見せていません。
 都は、本年三月から緊急対策として区市町村が大人の方への風疹の予防接種を実施した場合、要した費用の二分の一を補助することとしました。生まれ来る子ども達を先天性風疹症候群から守るためにはこの制度を利用して妊娠を希望する女性や妊婦の夫への予防接種を進めていく必要があり、現在、都内すべての区市町村で予防接種が行われることになっています。
 都議会民主党は、多くの方が働く東京では、企業にも積極的な情報発信を行い、風疹の予防やワクチン接種の重要性に関する理解を広げることが必要と主張。都も流行の中心となっている働く世代に対する啓発の重要性を認めています。

 

 

高齢者の暮らしを守る
地域包括ケアシステムを

 

 要介護状態になっても高齢者のニーズや状態の変化に応じて必要なサービスが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムでは、高齢者の日常生活圏域において、予防、介護、医療、生活支援、住まいの五つのサービスがセットで提供されることが求められますが、現状では、特に在宅療養の仕組みづくりが重要です。
 こうした都議会民主党の指摘に対し、都も同様の認識であると答弁。国では昨年から全国十三の区市町村で予防サービスと生活支援サービスを組み合わせたモデル事業を実施しており、都は今後、その成果も踏まえながら地域包括ケアシステムの構築に向けた取組を進めていくこととしています。

 

 

認知症対策の早期支援
新たな取組が実現!

  

 今後、認知症高齢者の急増が予想されていますが、現在都では、認知症の専門医療や人材育成などを担う認知症疾患医療センターが、十二か所指定を受けて稼働しています。
 都議会民主党は、今後、地域で認知症の人を支えていくために、医療機関や介護事業者が連携して、認知症の早期診断、対応の取り組みを進めるべきと主張。これに応えて都は今年度、区市町村に配置した認知症コーディネーターがかかりつけ医や介護事業者等と連携して、認知症の疑いのある方を訪問し、適切な介護サービスにつなげるとともに、認知症疾患医療センターの医師、看護師、精神福祉士等からなる専門チームが訪問・診断し、早期に支援する新たな取組を開始します。

 

 

女性が生き方・働き方を
選択出来る社会へ

 

 今なお、日本女性の就業率は二十五歳から四十四歳の間で落ち込む、いわゆるM字カーブを描いており、諸外国と比べても就業率は低い状態にあります。
 都議会民主党は、女性が出産後も働き続けることができる職場環境づくりに取り組む企業への支援と、離職した女性の再就職支援に取り組むべきと主張しました。

 都は今年度から、仕事と生活の両立を進める中小企業に対し、短時間勤務制度の導入など企業の実情に応じた取組を支援するとともに、保育サービス付きの職業訓練、キャリアカウンセリング、就職に役立つ実践的な知識やスキルを提供するプログラムを実施することを表明しました。

 

 

増える職場のストレス
メンタルヘルス対策を!

 

 近年、職場においては、雇用形態の多様化や人間関係の複雑化、長時間労働を背景に、働く方のストレスが増加する傾向が続いています。都の労働情報センターでのメンタルヘルス不調者にかかる相談件数も、前年に比べ一割以上増加しています。
 こうした状況をふまえ、都議会民主党は、メンタルヘルス対策を積極的に推進していくべきと主張しました。
 東京都は、これまで職場環境の改善方法、関係法令等について普及啓発を図ってきましたが、今年度は、事業主などを対象にしたシンポジウムと相談会を併せて開催し、職場におけるメンタルヘルス対策を推進するとしています。
 
 

 

次代を担う若者に
社会的・職業的自立支援を

 

 都立高校を中途退学してしまった生徒の圧倒的多数が、心の相談機関などの支援機関を利用したことがないことが都教育委員会の追跡調査で判明しました。中途退学を防ぐ対策はもとより、やむなく退学してしまった生徒に対し、支援機関につなぐフォローをしっかり行うよう求めました。教育長は、高校とNPO等との連携で、必要な機関につなげ、学び直しや就労に結びつくきめ細かな支援を行う旨を答えました。
 また、知的障害特別支援学校における職業教育について、高等部(普通科)卒業生の一般就労率三十%前半を上げるためにも、充実を求めました。教育長は、研究校にて、作業工程の細分化や補助具の開発を行い、生徒の意欲向上や作業領域拡大につなげた成果を全校に普及させると答えました。
 

 

省エネ条例に基づき
省エネ・節電の定着を

  

  東日本大震災後三回目の夏を迎えます。今夏の電力需給見通しでは、必要な予備率三%を上回る六・七%の確保が見込まれています。これは震災後の節電定着が前提であり、都議会民主党が策定した「省エネ条例」に基づき、引き続き省エネ・節電を訴えることが必要です。また、老朽火力発電の増強による供給で、CO2排出量が増加します。電力の安定供給とCO2削減への対応を都に質しました。東京都は、節電の定着と高効率の天然ガス発電所への転換、低炭素な自立分散型電源推進など需給両面の施策を展開すると答えました。

 

 

中小事業所の省エネ推進で
コスト削減も支援

 CO2削減は企業のコスト削減にも直結します。東京都は、大規模事業所を対象としたキャップ・アンド・トレード制度を運用し、二〇一一年度の排出量は、基準排出量と比べ約二十三%の削減であり、節電・省エネの取組が進んでいます。
 一方、業務・産業部門のCO2排出量の六割を占める中小規模事業所においても、より一層対策を推進・継続することが必要ですが、人材、技術面など様々な課題があるため都の支援が欠かせません。コスト削減にもなる省エネ・節電の推進を求めました。
 東京都は、中小規模事業所の削減量をキャップ・アンド・トレード制度に利用出来る仕組みとしたり、無料の省エネ診断や研修会を実施、省エネ目標の設定などの施策を展開し推進すると答えました。

 

 

スマートエネルギー都市へ

スマートハウス化を支援
  

  東日本大震災を契機として、住宅のスマート化、再生可能エネルギー機器設置が加速しています。東京においても、スマートエネルギー都市への転換を進めていかなければなりません。
 そのためには、家庭でも無理のない節電を効果的に進める必要があります。そこで、スマートハウス化の推進について質しました。 東京都は、スマートハウスは成長産業としての期待も高いため、この機を捉え補助事業を開始し、家庭のエネルギー効率化と市場活性化を後押しすると答弁しました。

 

 

山場を迎える招致レース
今後の招致活動の展開は!?

  

 二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催都市決定まで、あと三ヶ月。五月末にロシアで開催された国際会議「スポーツアコード」でのプロモーション活動の成果を問い、知事は、プレゼンや会場内のブースを通じて東京の都市力などをIOC委員に強くアピールできたと述べました。
 また、国内気運をさらに盛り上げ、その熱気をIOC委員等にアピールすることが重要と訴えたことに対し、東京都は、八戸から東京までの縦断リレーやスポーツ祭東京二〇一三のプレイベントでの招致PRの様子を海外に発信すると答えました。

 

 

 

緑あふれる
スポーツ拠点づくりを

  

 世界の都市比較調査項目には緑地があり、都市の魅力に不可欠な要素ですが、東京は上位に入っていません。景観創出、防災機能強化、生物多様性保全にも必要であるため、推進を求めました。
 また、神宮外苑では、大正時代からの緑を守りつつ、新たな時代のスポーツニーズやバリアフリーへの対応など、国民がスポーツを楽しむ一大拠点への発展、ランニングコース設置など、まちづくり推進について提案しました。
 東京都は、量と質を高める緑化に積極的に取り組み、神宮外苑では、緑豊かで風格と活力あるまちの形成を進めると答弁しました。

 

 

 

ゲリラ豪雨から
くらしを守れ

 

 近年、雷雨性豪雨や台風による水害が増加しており、降雨状況の変化に対応した対策を推進することが急務です。
 東京都は、河川整備の目指すべき目標整備水準を、時間五〇?降雨への対応から、区部では時間七十五?、多摩では時間六十五?に引き上げ、局地的な時間百?降雨でも安全を確保することとしました。 一方、豪雨対策は、平成二十二年の集中豪雨による浸水被害を契機に「緊急豪雨対策」を定め、集中的に整備しています。都民が安心して暮らせる安全なまちを実現するため、緊急的効果的施策を着実に進めるよう求めました。
 東京都は、関係局や地元区市などと連携し、全力で取り組み、安全で安心な東京の実現を目指し取り組むと答弁しました。

 

 

住宅の耐震化を促進し
震災の不安解消を急げ
  

 建物の耐震化は、震災被害の抑止、生命を守るための基本中の基本として、早急に進めていかなければならない課題です。
  阪神淡路大震災での神戸市内の死者のうち、建物の問題で亡くなった方の割合は、実に九十五・五%にも達しているとのことです。 このため、都議会民主党は、繰り返し建物の耐震化推進を求め、阪神淡路大震災の教訓として耐震化は既に終了しているべき事項であると言ってきました。
  東京都の耐震診断・耐震補強への助成は、整備地域内のみを対象としています。早急に一世帯でも多く耐震化するため、木造住宅の耐震化助成対象地域をさらに拡大すべきと求めましたが、東京都は、引き続き整備地域に的を絞り助成すると述べるにとどまり、消極的な姿勢は変わりませんでした。

 

 

南海トラフ地震
被害想定生かし、命を守れ

  

 東京都は、南海トラフ巨大地震の被害想定を独自に実施し、島ごとの人的被害・建物被害や、港ごとの浸水域などを明らかにしました。被害想定では、津波からの避難を迅速化すればするほど、人的被害が軽減できると示されています。 三十?を超えるような津波は極めて稀と推察されますが、万が一の場合、どのようにして迅速に避難するかが重要であるため、東京都の取り組みを質しました。
 東京都は、新島での総合防災訓練 の実施と検証など、避難の迅速化に向け支援すると答えました。

 

 

都議会を通年議会に!
行政課題に機動的に対応

  

 都議会のあり方を検討してきた検討会は、このほど都議会の会期を概ね1年間とする「通年議会」を導入するとした検討結果をまとめました。
 「通年議会」になると、知事の招集手続きを経ずに、随時、本会議・委員会を開催することができ、災害等の突発的な事件や緊急の行政課題が発生した場合、機動的・弾力的に対応することができるようになります。
 しかし、その結果、経費が増える可能性があるので、費用弁償、広報・会議録経費等を見直し、極力増加を抑制するとしています。 今後、実施に向けた課題を整理し、平成二十六年以降のできるだけ早い時期の実施をめざします。


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